差別 [小説]
神様は、人間達の間で行われている差別をなくそうと考えた。
その為には全人類が平等でなければなるまい。
神様は、人間達に不平等であることはなにか、と聞いた。
人間達は次々と言った。
「ルックスのいい奴だけがモテて、不細工はモテない。これは不平等じゃないか!」
神様は、どんなルックスの人間でもモテるようにした。
「性格のいい奴だけが好かれ、性悪は嫌われる。
これは不平等じゃないか!」
神様は、いかなる人間でも好かれるようにした。
「仕事のできる奴だけが出世できて、無能者は出世できない。
これは不平等じゃないか!!」
神様は、すべての人間に出世のチャンスを与えた。
「なぜ差別することがいけないんだ。
これこそ差別主義者に対する差別じゃないか!不平等だ!」
神様は、ノアの洪水の準備を始めた。
2015-05-31 13:04
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