与沢翼2 [小説]
大統領が大臣達の前でこう発言した。
「しかし大統領。それでは経済が成り立ちません!」
大臣達はみな一様に反対した。
「ちゃんと手は考えておる。これからは「がんばった制度」を導入しようと思う。」
「がんばった制度?」
大臣達はみな一様に目を丸くした。
「そうだ、今までの貨幣制度は問題がありすぎた。稼ぐ能力の長ける連中ばかりが楽をしてお金持ちになっておる。こんな不平等はあってはならんことだ!」
「しかし大統領・・・」
「ええいうるさい。これは私の一存だ。反対は許さぬ。」
そうして、とある国は貨幣制度が廃止され
、新たに1ガンバという単位をもった「がんばった制度」が導入された。
国民全員が「がんばった計」を腰に携帯し、日々の仕事を行うのである。
かんばった計はその人のがんばった量に応じて「ガンバ」が貯まり、それをお店で商品と変えるシステムになった。
そして少したったある日。。。
「う~む、なぜお金持ちと貧乏の格差がなくならないのだ?」
「大統領、大変申し上げにくいのですが・・・」
「なんだ。いや、ガンバ大臣?」
「はい、どうやらがんばった制度は失敗のようです」
「なぜだ?」
「はい、市場ではガンバ取引なるものが盛んに行われていまして・・・」
次の日、がんばった制度は廃止された。。。
2015-06-03 02:31
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