金曜日のラブホテル [小説]
毎週金曜日。
あなたには似合わない安っぽいホテル。
繰り返されるもの。
あなたの笑顔。
あたしの喘ぎ。
たったの二時間。
忙しいあなたの二時間。
なんであたしにくれるの?
あなたが無理矢理渡す3万円。
いらないって言ってるのに。
「駄目」。
独特なイントネーション。
あの笑顔。
あたしの頭にのせる大きな手。
帰りの地下鉄。
ヘッドフォンから流れるあなたの声。
苦しいなあ。
繰り返す下らない自問自答。
知ってるくせに。
変わらない答え。
揺れる気持ち。
何でそんなにバカなの?
進めないけど戻れないけど。
ここでいいの。
毎週金曜日。
あたしにはぴったりの安っぽいホテル。
ベッドの中。
あなたのはなうた。
ここがいいの。
ここにいるの。
2015-06-05 04:20
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