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金曜日のラブホテル [小説]


 

 

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毎週金曜日。


あなたには似合わない安っぽいホテル。


繰り返されるもの。


あなたの笑顔。


あたしの喘ぎ。


たったの二時間。


忙しいあなたの二時間。


なんであたしにくれるの?

あなたが無理矢理渡す3万円。


いらないって言ってるのに。


「駄目」。


独特なイントネーション。


あの笑顔。


あたしの頭にのせる大きな手。



帰りの地下鉄。


ヘッドフォンから流れるあなたの声。


苦しいなあ。



繰り返す下らない自問自答。


知ってるくせに。


変わらない答え。


揺れる気持ち。


何でそんなにバカなの?

進めないけど戻れないけど。



ここでいいの。


毎週金曜日。


あたしにはぴったりの安っぽいホテル。


ベッドの中。


あなたのはなうた。


ここがいいの。


ここにいるの。






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