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最強の諜報機関 [小説]


 

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日本にはCIAのような情報局が存在しないと信じている人は多いが、しょせんは表向きの話だ。

俺は知っている、ヤツラの存在を。


俺がやつらに目をつけられたのは、ちょうど大学に入学した頃のことだ。


初めての一人暮らしということもあり、新しい生活に胸躍らせて春色のキャンパスライフを夢見ていた。



しかし、その時にはすでに俺の背後にまでやつらの手が伸びていたのだ。


それからはどこへ行こうが先回りするように見え隠れする、やつらの姿。



幾度となく住所を変えてみたところで、やつらの手のひらで踊っている俺がいるだけだった。


なぜだ?

何もわからないまま、やつらの影におびえる俺。


やがて俺は精神的にも肉体的にも、どうしようもないところまで追い詰められてしまっていた。



「‥‥さんですね?」

部屋に入ろうとした俺を、誰かが呼びとめる。



振り返るとそこには、人のよさそうな表情を浮かべた中年男性が二人、並んで立っていた。



しかし、直感というやつか。


俺はすぐに彼らがやつらの構成員であることを見抜き思わず身構えるが、すぐに観念する。


もはや逃げ切れないのだ。


俺とは対照的に、にこやかな笑みを浮かべ男の一人が、一枚の紙を差し出してきた。


そこに記された「N」から始まるアルファベット3文字。


公営放送という仮面をかぶり、やつらは今日も国民を監視する。



だがその事実を知る者は俺を含め、ほんの一握りだけにすぎない






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