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木箱 [小説]


 

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木箱の中に何かが入っている。


紙には、『ご自由にお取りください』と書かれている。



中を何気なく見てみると大量のお札が一枚一枚無造作に入っている。



一万円札がとくに多い。


俺は一瞬募金箱と間違えそうになった。



しかし、紙にはご自由に・・・と書いてある。


借金苦で人生が終わりかけの俺にとってこれはチャンスだ。

ゆっくりと周囲を見渡し、おそるおそる俺は木箱に手を伸ばした。

別に悪いことをしているつもりではないのに罪悪感が迫ってくる。



「やっぱり、やめようかな?これは何かの罠かも知れない」


俺の心の中で天使がささやく。


そう悩んでいる間に小学生の男の子が嬉しそうに木箱の中身を全部持って行った。






タグ:小説 木箱
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