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翁長知事は左巻き [小説]


 

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昼休み、机に突っ伏してうたた寝していると、後ろから第一秘書の笑い声がした。


「なんだ、君たち。頭のつむじが逆向きになっているぞ。」


そんな、笑うほどのことじゃないだろう。


急に起こされて不機嫌なまま頭を上げると、となりで寝ていた同僚の秘書もぼんやりとした顔をして起きあがってくる。


どうやら、俺のつむじは右巻き、同僚のつむじが左巻き、と言うことらしい。


俺達の機嫌などお構いなしに、第一秘書はみんなのつむじの向きを数えはじめた。


うちの事務所は10人いるが、ちょうど左右半々であることが分かったところで、第一秘書は新聞を読んでいた知事に声をかけた。



「知事、知事の頭のつむじは右巻きですか?左巻きですか?」



知事は、沖縄タイムズを下ろして少し考え、答えた。



「えーと、確か左巻きにしたはずだけど・・・。」

何気なく頭に伸ばした第一秘書の手の下で、わずかに知事の頭髪がズレたような気がして、俺達は凍りついた。
 






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