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変なオジサン [小説]


 

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もしもしそこへ行く若い人、あなたじゃ、あなたじゃよ。



あなたにとてもおいしい話あるよ。
 

俺は突然、変な爺に話しかけられたと思い、後ろを振り向いた。


俺か、俺のことか。


そうじゃ、あなたの他に誰がおる。


俺は回りを見たがその変な爺の他には俺しかいない。


何だ、爺さん。


あなたにとてもいい物上げるよ。


この金の延べ棒と、先々自分の身に起こることを知る力だよ。

欲しいだろう。
 

俺は爺さんの言うことを聞いたさ。


だって得だもん。


金の延べ棒と、先々俺の身に起こることを知る力だって言うんだからさ。
 

でも金の延べ棒を貰った瞬間、俺はぞっとしたんだよ。


確かに自分の身に起こることが分かってさ。


俺は明日死ぬってことが体の底からはっきり分かったんだよ。  

俺は焦って、爺さんを探したんだけど、もう姿が見えないんだよ。


俺が皆に言えるのはたった今だけさ。

明日は俺のお通夜だよ
 .

だからさ、俺が言いたいのは、おいしい話にゃ気を付けろってことだよ。


でも金の延べ棒はおふくろにプレゼントするよ。






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