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ドラゴン [小説]


 

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俺は誰と馴れ合うでもなく、毎日毎日 ヘッドホンで耳をふさいで、孤独に酔っていた。


ちょうど 1人で食べる昼食にも慣れた頃、するべきことをすませた後のトイレの鏡の前でぎょっとした。


背中を覆うほどの大きさのドラゴンが、俺の肩に掴まって、こっちを睨んでいたからだ。



それでいいのか?

と、言いたげな目をしたドラゴンは、体を触らせてはくれなかった。



あんまり友達ができないものだから、俺の脳はとうとう、孤独を具現化して馴れ合うことを始めたらしい。


惨めだ。


すごく惨めだ。

孤独はすぐ近くにいるけれど、これと馴れ合うのはかなりまずいことになるのを、俺はよく知っていたからだ。

畜生 いいわけないだろう、俺もドラゴンを睨んでやる。


結局 友達らしい友達も出来ず、ただ 成績だけは人一倍よかったから、卒業して、そこそこいい会社に就職した。

通勤電車の中、俺は相変わらずヘッドホンで耳をふさいで、孤独を気取っていた。


ガラス越しに、似合わないスーツ姿でつり革に掴まる俺と、その肩に掴まっているドラゴンが写る。


いいのかよ、それで?

と、相変わらずドラゴンは冷ややかな目をしている。


畜生 学生に戻りたいよ。


俺はちょっと弱気な目でドラゴンを見つめる。


そういえば、少しドラゴンが大きくなったような気がする。






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