魂ってなんだ? [小説]
魂の定義は曖昧だ。
ここにボールペンがひとつある。
これは魂ではない。
ところで私は人であり、ひとつの魂だ。
生物と無生物の二種類が存在している。
それは一本の線のこちら側と向こう側に分けられる。
その線に限りなく近づくことはできるが、線の上に立つことはできない。
人がその線を越えることが、つまり死、か。
しかし、その死の定義すら曖昧なままだ。
心臓が停止しても、脳はしばらく生きている。
筋肉組織にあっては数時間も生きる。
精子にあっては何十時間も生きる。
あるいは、他人の記憶に生きる。
「どうでもよいことだね」
そうかな?
「僕は生きてるのかな」
どうだろう?
でも君はただのプログラムだ。
それを言うなら、君たちが言う心もプログラムだ。
嬉しいことがあったら笑う。
悲しいことがあったら泣く。
僕にだってできるさ。
簡単だよ
もっと複雑だ。
「変わらないさ。ちょっとばかり複雑なだけだよ」
混沌としているな。
もっと抽象的に話せないか?
「つまり、どうでもよいことだね」
2015-07-05 04:01
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