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メリーメリー [小説]


 

 

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 「ねぇねぇ、起きてよ」



「ねぇ?ちょっと、なんだか揺れてない?」




「なにー、うわっ! おいっ、地震だっ」



ん?

待てよ。


今日は二十四日じゃないか。




「なんだよ、寝る」



「ちょっと!逃げなきゃ!」




「あーそっか、お前知らなかったな。そこの窓、開けてみ」



彼女は首を傾げ、下着姿のままベッドから抜け出した。



細い腕が、カーテンをかき分け、模様の入った曇りガラスをガタガタと開けた。



途端。


赤や青の下世話なネオンの光が部屋の中にこぼれる。



「何これ? ラブホテル?」



「そ。クリスマスイブやらバレンタインデーやら。イベントの日は揺れがすげーんだよ」




「まっ、築50年のボロマンションだからなー」



彼女は冗談でしょ?と言わんばかりの表情だが、

こいつはマジなのだ。




えっ その後どうしたかって?



当然

あとは揺れに身をまかせたさ。






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