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逆説論 [小説]


 

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昔、子供の頃、

「人間はどんどん若くなってきているものだ」

と思っていた。


つまり、大人は本当は子どもで、 子どもが大人なのだ。


1年ずつ年を重ねるのではなく、 1年ずつ若返っていく。


でも脳は子どもから大人に成長する。

大人は偉そうに子どもを指導したり、しつけたり するが、子どもは本当はそんなことは全部 わかっていて、大人だから黙っているだけなのだ。

大人の脳は未熟で、それが理解できないから、 子どもは自分よりも知っていることが少ないと 思っている。

子どものほうが物事をよくわかっているが、 決して大人を指導したりしない。

今思えば、子どもがもう少し大人をきちんと 指導しておけば、 こんな世の中にはならなっかったのかもしれない。

これは子どもが子どものふりをしていた責任なのだ。

もう少しうまく指導できれば、 受験戦争もなかっただろうし、 学校ももう少しましだったに違いない。


大人になった今、 子どもを理不尽な理由で怒り飛ばす。



もしかしたら、

子どもは心の中で

冷ややかに笑っているのかもしれない。






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