当選 [小説]
「だから、言ってるだろ」
俺の口調はだんだんと荒くなっていた。
しかし、それは弟も同じこと。
「1億円全部使ってか?……嘘だろ」
呆れたような顔を見せる。
そんな弟の態度に俺はさらに声を荒げた。
「俺は長男だぞ!」
「だからといって、勝手すぎるだろ」
「お前は何時もそうだ」
「なにー」
「やるのか?」
「やめてよ、二人とも!!」
見かねて間に割って入ったのは、二人の妹の美由紀だった。
「確かに1億円なんて大金は私たちに馴染みのないものだし、でもだからって、どうしてこうなるの?」
2015-05-29 05:35
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