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親父 [小説]


 

 

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 「おやじ、飲みすぎだよ」




「飲みすぎてなんてないぞ。せがれよ、こっちにきなさい。

いいか? せがれよ。人生ってのはな、長ぁーい道のりを、クルマで走るようなもんだ」




「ええ? なんのはなし?」




「人生という道のりを走るクルマのパーツはな、いわば家族であり、友達であり、はたまた恋や、努力、勇気であったりするわけだ」



「おやじ、酔ってるよ」





「いいか? 例えば家族はタイヤ、いやエンジンかな?

恋はアクセル、友達は、ハンドルってとこか。
ま、人それぞれだが、要するに、どれが欠けても、うまく走ることができない。

つまり、それらのもんを大事にして生きていきなさいって、父ちゃんは言ってるんだよ! うぃ~、ひっく!」




「わかったよぉ、じゃあさ、おやじにとって

一番大事な部品はなんなの?」





「ん? そりゃーお前……

ガソリンだろ。うぃ~ひっく!」






タグ:親父 小説
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