アカレンジャーの提案 [小説]
今後も今のままのやり方で、ずっと戦い続けるべきなのか。
「司令官、お呼び立てしてすみません」
「いやいいんだ。それより基地の外でしか出来ない話って何だ」
「それが言いにくいんですが、オレ、ヒーロー辞めようと思ってるんです」
レッドはすでに五十歳を越えていた。
他の4人も似たような歳だ。
彼らは初期の戦隊ヒーローだからまあそんなもんだろう。
まだ現役?
と思った人も多いだろう。
だが彼らは事実まだまだ現役なのだ。
いや彼らだけではない。
過去歴代の戦隊ヒーローは、揃いも揃って全員現役なのだ。
考えてもみたまえ。
怪人が週に1回、日曜日にしか現れないはずがないではないか。
実は怪人は毎日のように出現しているのだ。
彼ら歴代のヒーローたちが事件を未然に防いでいるだけの話だ。
国民の平和は、彼ら歴代の戦隊ヒーローが日々体を張って守っているのだ。
「体力的な問題か」
「それもありますが、正直今の戦術に限界を感じています」
「あれは私が考えた戦術ではないからな」
「それよりもっと昔みたいに正々堂々と戦いたいんです」
「いやしかしそれはキツイだろう。正々堂々はテレビの若手に任せるべきだ」
「オレに考えがあります」
「本当か」
「はい。5人だからキツイんです。もっと増やせばいいんです」
「すでに他のレンジャーたちの了解は得ています」
「さすがレッド。さっそくその戦術でやってみようじゃないか」
「ありがとうございます。この戦術ならまだまだ戦えそうです」
「世界の平和のためにしっかり頼むぞ」
「はい」
その日から、怪人1体に対し彼らは36色で戦った。
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