アンケートと魔法のランプ [小説]
アンケートに足を止めた。
少しだけ気になる広告を見つけたからだ。
アンケートに答えたら、「魔法のランプが当たる!」
なんだか、不思議な企画だった。
Q1からQ100まであるかなり長いアンケートだったが、
魔法のランプに興味を惹かれた僕は全てに回答し、その企画に参加した。
2週間後、宅配便で魔法のランプが届いた。
ワレモノ専用の箱だった。
僕は早速箱を開けた。
中にはウンザリするほどの発泡スチロールと一緒に金色のランプが入っていた。
擦ってみると、ランプの魔人が現れた。
立派なひげだった。
「私はランプの魔人だ。願い事を言え」
「お金が欲しいです」
即答した。
「よし分かった。じゃあこのアンケート用紙に必要事項を記入してポストに投函しろ。抽選で一名、願い事をかなえてやる」
分厚いアンケートを残して、魔人は消えてしまった。
僕はアンケートを拾い上げた。
Q1からQ665まであった。
めまいがした。
一ヶ月たっても何もなかったので、僕は抽選に漏れたみたいだった。
あのランプはカレーの入れ物として使っている。
友人も洒落てるねと言ってくれた。
今は「幸福のスプーン」が当たるアンケートを書いているところだ。
2015-06-21 10:31
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