さみしい蛙 [小説]
「この池には私一人しかいないのです。さみしいさみしい」
それを太陽とお月さまと、あとお星さまが見て言いました。
「私たちはお前をちゃんと見ているよ」
しかし、蛙は鳴きやみません。
「お前らは私だけを見ていてくれない。私だけを見ていてくれない」
それを聞いていた1匹のあめんぼうが言いました。
「僕も君とおんなじ池に住んでいるから、君だけをきちんと見ているよ」
しかし、蛙はそれを聞いて怒ります。
「お前はあめんぼうじゃないか。お前は私とは違うのだ。居ても居ないのと同じだ。」
偏屈ものの蛙は一人で泣きながらさみしく死にました。
2015-06-21 10:40
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