SSブログ
 
 

さみしい蛙 [小説]


 

10645134_349602385206785_8949195230212035532_n.jpg



さみしいさみしいと泣く蛙が一匹おりました。


「この池には私一人しかいないのです。さみしいさみしい」


それを太陽とお月さまと、あとお星さまが見て言いました。



「私たちはお前をちゃんと見ているよ」


しかし、蛙は鳴きやみません。


「お前らは私だけを見ていてくれない。私だけを見ていてくれない」
 

それを聞いていた1匹のあめんぼうが言いました。



「僕も君とおんなじ池に住んでいるから、君だけをきちんと見ているよ」
 


しかし、蛙はそれを聞いて怒ります。


「お前はあめんぼうじゃないか。お前は私とは違うのだ。居ても居ないのと同じだ。」
 


偏屈ものの蛙は一人で泣きながらさみしく死にました。






タグ: カエル 小説
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。