呪い [小説]
私は大学でSNSの研究をしています。
主に法律とSNSの係わり合いと、そこでの人間関係が実社会にどれほど反映されるか、簡単に書きますと影響力のようなものを研究しています。
皆さんは、SNSを御存知でしょうか?
友人との交流をネットでも深めることを目的としています。
その方法は簡単な自分のホームページを作ります。
裁量により、会員すべてに公開することも出来れば、友人の友人や、友人のみに公開することも出来て、さらには、嫌な人は自分のところに来ないように設定することも出来ます。
私も友人の紹介で参加しているSNSサイトがあるのですが、そこの機能に、友人の中でもさらに読む人を限定する機能があるのです。
そうなれば当然コメントをつけるのも、その限定された人だけになります。
この機能を使うケースに、知られたくない友人が相互リンクのなかにいるときが考えられます。
話は変わって、以前テレビで見たのですが、驚いたことにオカルトの代表でもある呪いにも、そのメカニズムがあるらしいのです。
呪いたい人間に対して「お前を呪っている」ということをアピールしつつ、でも表面では隠して行う。
これが一番効果があるとのことでした。
そのとき、ワラ人形をわざわざ人目につく場所へ打ち付けるのも。
きっと、このことから来たのではないかと考えました。
さてさて。
この放送を見てピンと来ました。
先にも書きましたこの機能。
まさにワラ人形の如しです。
日記を見せたい友人の公開の設定を失敗したかのようにして本人にも見えるように悪口を書くのです。
設定上、見ることが出来る人間は、まさか本人にも見えるようにしているとは思いませんから、イエスマンが多い日本人は賛同するでしょう。
こぞって彼の人の悪口を書きます。
この光景を見た本人は、果たしてどうなるでしょうか。
友人だと思っていた人間が一様に自分を悪く書いている光景。
まさに、文字による地獄絵図。
これが、私が考え付いた近代呪術です。
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