ふうわり ふわり [小説]
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
母親はそれを、すやすや眠る我が子にそっと掛けてやった。
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
幼女はそれを身体に巻いて、「あたし、おひめさまよ」とおすまし顔でクルリと回った。
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
少女はそれを、朝露光るクローバーの上に敷いて、腰を下ろした。
少年がやってきて、「座ってもいい?」と聞いた。
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
青年はそれを木に結んで日陰を作り、その下で青年と娘は優しい時間を過ごした。
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
娘はそれでドレスを作り、青年と娘は永遠の愛を誓った。
まっしろな布 ふうわり空から落ちてきて
それは可愛い坊やのおしめになった。
まっしろな布
ふうわり ふわり
あなたの元へ ふうわり ふわり
2015-07-07 00:04
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